2014年10月20日月曜日

第22回 日本山岳耐久レース ハセツネカップ

 
いざ憧れのレース「ハセツネカップ」へ!






ハセツネカップとは
日本トレイルランニングレースのパイオニアとして知られる古いレースで、通称「ハセツネ」とよばれ、日本最高峰レースのひとつとして数えられる。 エイドステーションは一箇所で、コース難易度も高い。
距離71.5km、累積標高差4582mの平均傾斜は6.4%であり、国際的なトレイルレースのもっとも過酷な部類、Category ALに相当する
制限時間は24時間。
コースは平均的なハイカーのペースで約5日半(45時間)かかる距離で、参加者はこのコースを7時間から24時間で走破する。              wikipediaより





 
 
 
 
 

自分のハセツネへの挑戦はチームの先輩でもあるジャキさんのこの言葉から始まる。




「いいかジムよく聞きけ、お前みたいに普段チャラチャラ山で遊んでるヤツはハセツネくらい完走しなきゃダメだ、絶対にな!」





言われた時はなんとなく聞き流したけどボディーブローのようにジワジワ効いたこのセリフ

週末山に登って好きなギアを試す、なんとなく物足りなさを感じていたそんな時だった。


「ああ、オレもなんか目標を達成しなくちゃな」



そんな自分がハセツネを目指すのにそれほど時間はかからなかった。




・初めてのロングレース(71.5km)
・コースの半分以上は夜間走る
・エイドは一個所のみなので荷物はほとんど背負って走る  

などなど、このレースには過酷な条件が詰まっていたが。


「春に行われるハセツネ30kに出場、1000位以内に入り本戦へのチケットを手にしハセツネを完走する」

これを2014年の自分の目標と定めた。





練習方法は単純明快、とにかく長く動き続けられる体を作る事。

そのため色々魅力的なお誘いも断り(涙) 仲間とのハイクは基本スピードハイク主体のものへ。
加えてロードの走り込みも強化した。

最終的にレース前月の月間走行距離は240km程度に

試走もホントは全行程したかったけど全体の3分の2程度までにとどまった。(でもこれがかなり有効)



この試走や経験者のアドバイスをもとに建てた作戦はこんな感じ

前半の月夜見まではほとんどシングルトラック&コースもキツめなので抑えつつ離されずに体力温存する。

  
後半部分はランナーもそこそこバラけるだろうし追い抜けるセクションも多い、なおかつ下り基調。勝負をかけるなら後半と決めていた。





 
 
多くの選手や応援でにぎわう五日市中学の体育館。
 











さあともかくレースは始まったのだ。





スタート~第一CP(浅間峠)22.66km地点 4時間37分25秒

序盤はロードでペースはわりとみんなゆっくり、30kの時の猛スピードとは違った。
自分もその流れに任せキロ6分程度のペースで進む。 そして変電所を過ぎるとトレイルに入る、
土のトレイルに入るとなぜか安心感があるね。  30kで走ったコースを逆に進む。
ほどなくして渋滞、けどこれも予想の範疇。 話せる仲間がいればもっと良かったのになとか思いつつ進む。  醍醐丸まで30kの時の記憶を呼び覚ましつつ「あ、ここなんとなく覚えてるな」とか考えていた。  


今年の渋滞はかなり酷かったようで完全に止まっていた時間は合計30分はあったと思う。









結局浅間峠まではなぜかボーっとしながら進んだのであまり記憶がない。  ただ補給と塩熱サプリだけは規則正しく一時間おきにきっちり摂った(これが後々功を奏す)
もうすぐ第一CPというところであたりは真っ暗に。 回りにランナーが多数だったのでヘッデンは点けなくとも十分明るかった。  そして第一CPに到着するとROD!!メンバーの応援が!これがめちゃくちゃ感激する。 ここではひらどんさんとナガイくんが休憩中。 ゆっくり走っていたのでたいして疲れていなかったし夜の装備と簡単な食事を済ませ出発。 三頭山への登りへ。









第一CP~第二CP(月夜見)42.09km地点 8時間51分14秒


暗くなるとトレイルの雰囲気は一変する。 華やかなトレイルランの感ではなく軍隊の行軍のようだ、振り返ればヘッデンの灯りだけが延々とはるか彼方まで続いている。これぞまさにハセツネといった光景。  身震いがした。  ここら辺まで来ると道端で嘔吐する人・倒れこむ人・寝てる人がちらほら。  とにかく黙々と進む。
一番キツい登りで見覚えのある人が座っていた、ビビさんだ! answer4のベストが特徴的だったのですぐにわかった。 すでに補給ができない状態でリタイアするという。トレイルランで重要なのは走力もそうだけど補給し続けれらるかどうかにかかってる、特にロングレースではそれが明暗を分ける。補給できなければいくら走力があってもリタイヤせざる得ない。  
このレース中1.2位を争うキツい三頭山までの登り終え三頭山の避難小屋でナガイくんに声を掛けられて一緒に休憩。  自分より先にナガイくんはスタート、その五分後くらいに自分もスタートした。  このレース中いくつか決めていたマイルール「体が冷えるまで休憩しない」に従う。
ここ三頭山山頂あたりから雨と霧が出始める。 ワキフィルターを装着したハンドライトを使おうかどうか悩んだけどストックをどうしても使いたかったのでpetzl nao(ヘッデン)の光量を最大にして乗り切ることに、途中の急坂で滑落者がいたようで消防隊が救出活動をしていた。  雨で濡れた木の根はとても滑る、自分も何度か危ない場面があった。  一時雨も勢いよく降り始めたが樹林帯だしハイクでも慣れていること、みんなレインジャケット着てたけどそのまま半袖で行動し続けた。
鞘口峠を過ぎほどなくして月夜見が見えてきた。









第二CP~第三CP 58km地点 12時間23分07秒

ここは唯一の補給所、水1リットルとポカリ500mlをもらう。ポカリ500はその場で一気に飲み干した。 ここでもROD応援メンバーが待っていてくれた。数分しか滞在しない選手の為に寒い中何時間も待っているってことを考えるとホントに頭の下がる思いです。 ただその数分でもみんなと話したり写真とってもらったりと気持ちも楽になる。 しかしここでも休憩時間はそれほど摂らずスタート。






 
皆の声援を受けトレイルに向かう。
 
 
 トレイルに入るちょうどその時「ぶちかませ! ジム!!」って叫ぶジャキさんの声が。
振り向こうかと思ったけどみんなの顔見たら泣きそうだったのでそのまま真っ暗のトレイルへ突っ込んだ。
 

ここ(月夜見)からが自分の中でのハセツネスタート地点。前半抑えたことで足も体力もまだまだ十分残っている。 最初の下りを気持ちよく走り抜ける。 ただこの後の御前山の登りがホントにキツかった。 何度も何度も立ち止まりながらじゃないと前へ進めない。

苦しい、つらい。

ふと「チャラチャラ遊んでるだけなのか」とか色々な事が頭の中を巡っていた。

御前山山頂へ着くと後はずっと下り基調って事を試走したことで分かったいたので思い切り飛ばす。 このあたりからようやくゴールタイムを意識し始める。 ハセツネはとにかく完走を目指していたのでタイムとかはあまり気せず、15~6時間以内でゴールできればいいな、くらいにしか思っていなかった。  下り基調のトレイルを黙々と走っていると大ダワが見えてきた。
ここでトイレに入り近くで休んでたTAKIZAWAさん(その時初対面)に地図を見せてもらいながらしばらく談笑。二人で話しながら14時間切れるかもってペースであることがわかった。(その後SNS上で連絡をもらい無事ゴールしたとの事でした)

 
大ダワを過ぎると次は大岳山。 ここは山頂付近の岩場にクサリがあるほど急な登りがある。 このクサリ場が見えたらトレポをしまうと決めていたのでポールをバックパックに取り付けた。
山頂からの下りも結構テクニカルで手を使ってゆっくり下る。
ほどなくして自然水が飲める「綾広の滝」  けど水は残っていたのでスルー。 この辺からキロ
5分後半くらいのペースで飛ばす。  ちょっとした登りの先に第3CPが見えてきた。
よく見るとサンポさんの姿が!  最後のCPってこともありめちゃくちゃ嬉しかった、がっちり握手を交わし「がんばれ!」とだけ声援をもらい再び走る。 もうここまで来ると完走は確信した。
あとはタイムだ、時計を確認すると頑張ればサブ14狙える時間だったのでとにかく走る!



第三CP~ゴール(五日市会館)

もうこの区間はほとんど走ったと言っていいほど走ったw 日の出山の登りはキツかったけどあと少しでゴールだ。 もう体力を温存させる必要もないし膝が痛くなっても良いやって気持ちで金毘羅尾根を爆走。  数十人は抜いたと思う。 一番スピードに乗って走れた区間でした、まさに限界ラン。 雄叫びとかあげてたかもしれない。
そしてアスファルトの道が見えたときもうすぐ終わってしまうという寂しさもあふれてきた。









そしてついにゴール
















先にゴールしてたカトさんと「楽しかったね~」





みんな待っててくれた、感無量の瞬間。






 
正直こんな成績で終われるなんて夢にも思わなかった。
 
14時間03分00秒 男子総合621位  チーム ROD内では3位でした(8人中)
 
あと少しでサブ14ってとこだったけど無理だったw



エントリー総数2,590名 出走者2,264名 

第1関門2,242名 第2関門2,052名 第3関門1,924名


フィニッシュ1,922名 完走率84.9%

 


 

 
 
 
 
 


応援してくれたRODメンバー、選手で一緒に走った仲間。

みなさんの助けや応援がなければ完走できなかったと思います。


ハードなレースと呼ばれる「日本山岳耐久レース・ハセツネカップ」

たしかにハードだけどきちんと準備をして挑めば楽しいレースです、というかめっちゃ楽しかった!

運営側の対応もすばらしくどの係りの方に距離を聞いても正確に答えてくれました。








というわけで来年も出れたらまたこの地に帰ってきたいと思います!





 
RUN OR DIE!!
must be whiteout!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 




































 

自分用メモ 

天候・曇り時々雨、夜は霧 最低気温は10℃程度
装備・ウェア関係
フラッドラッシュメッシュスキンT(浅間峠以降寒くなったので着用。問題なし)
キャプリーン1(スタートからゴールまで。問題なし)
バフ(濡れてもそれほど寒くなかった。問題なし)
ストライダーパンツ(問題なし)
ドライマックスソックス(雨予報の為急遽採用。指が擦れて後半痛かった。次回は五本指ソックスに)
サロモン XT WINGS グローブ(問題なし・浅間峠以降ずっと着用)
スマートウールのアームウォマー(問題ないけど嵩張るので次回は嵩張らない物に)
アルトラローンピーク(木の根と急坂では滑る、履き心地は良いが改善の余地あり)
OMMサイファースモック(雨予報の為採用・寒くなかったので使わなかった)
フーディニパンツ(寒さ対策で採用・使わなかった)
ブラックダイヤモンドウルトラディスタンス(第1CP~第3CPまでかなり使った。ストラップを改造すべき)
UD PBベスト(良かったけど次回はSJサイズの荷物量にすべき、後半重かった)
petzl nao(抜群の使い心地、光量・電池の持ちともに十分)
エマージェンシーシート(使わなかった)

反省点
初めてということもあり荷物量が多すぎた。 走れなくなったらリタイヤするぐらいの気持ちで防寒具関係を減らすべき。 動き続けられれば眠くならないし寒くもならない。 とにかく滑らないシューズが欲しかった。 ポールを使うのでハンドライトはあくまでも予備。次回はヘッデンにフィルターを。 


食料関係
ウーロン茶2リットル・ハイドレ(問題なし・月夜見で500ml残った)
コーラ1リットル・ボトル(問題なし・月夜見で500mlり最後で200ml程度残った)
おにぎり3個(問題なし・浅間峠で2個・月夜見で1個摂取)
プリングルス(残った・食べたくなかった)
ジェル10個(問題なし・ほぼ一時間おきに摂取)
今までのようかんより良い。食べやすさとのどの通りも良かった。
塩熱サプリ(問題なし・ほぼ一時間おきに摂取)

反省点
塩熱サプリと芍薬甘草湯の効果か足の攣りはおこらなかった。腸脛靭帯も痛くなかった。
ジェルも味を変えればそれほど嫌ではない。 おにぎりは適量。 後半はコーラもあまり飲みたくなかった。 月夜見から綾広の滝まで1リットルもいらない。 後半は水の消費量も少ないので少な目に。 後半はジェル・水分も摂りたくなくなるほど胃が弱っていた。 漢方の胃薬は効果なし。

欲しかったもの
タイム入りの地図・フルーツ・スントの時計・嵩張らないアームウォーマー











 ROD!!  メンバー過去のタイム



















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